日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2024年1月30日わかりやすい報告をするための3つのポイント


★報告はわかりやすくしたいもの


上司から「報告がわかりにくい」と言われた経験は誰にでもあるようです。

私もそのように言われた経験があります。

しかし、わかりにくい話をすることは、お互いにストレスになりますし、何度も言い直して時間をかけてしまうと、仕事の生産性に影響しないとも限りません。

従って、報告はできるだけわかりやすくしたいものです。

今回は、わかりやすい報告をするためのポイントを解説します。

 

 



★わかりにくい報告の例


以下にわかりにくい報告の例を掲載しました。

この例に沿って解説をします。

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上司「今日のX社の部長へのプレゼン、どうだった?」

T「はい、そんなに悪くなかったように思いますが・・・」

上司「ん? うまくいかなかったのか?」

T「部長は私の説明をうなずきながら聞いてくれてました」

上司「じゃあ、よかったんだね?」

T「えぇ~、でも部長から特に何も聞かれなかったし、最後は一言『ありがとう』とだけ言って退席されたんです・・・」

上司「じゃあ、よかったの? よくなかったの? どっちなの?」

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Tさんは上司をイライラさせてしまいました。

Tさんはどういう点を改善すればよいのでしょうか。

 

★最初に結論を言う


まず1つ目は、最初に結論を言うことです。

Tさんは上司にまず「感触はよかったです」と言えば、上司は安心してTさんの報告を聞くことができます。

先に結論を言う、という言葉は誰でも聞いたことがあると思います。

しかし、実践している人はかなり少ないのが実態です。

これを習慣にするだけでも話は格段に理解してもらいやすくなります。


★感触をつかむ


2つ目の改善点は、その場で相手の感触をつかむことです。

Tさんはプレゼンをしながら、X社の部長の感触がよいのか悪いのか、その場で判断しておくべきでした。

話がまとまらない、という人は、考えがまとまっていない、つまり考えていないということがよくあります。

Tさんも上司に尋ねられるまで、部長の感触がどうだったか考えていませんでした。

X社を出た後、道を歩きながらでよいので、まず、感触のよし悪しをハッキリさせましょう。

 

★判断の根拠を明らかにする


そして3つ目は、感触のよし悪しをハッキリさせた際、なぜそう判断をしたのかを考えることです。

これには自問自答するのがとても効果的です。

「どうして部長の感触はよい、と思ったんだろう?」など。

そして、自問した結果浮かんだことを短い言葉で個条書きにしてみるのです。

メモするのがベストですが、頭の中で整理するだけでもよいでしょう。

例えば「部長の感触が良かった」と判断したとしましょう。

その根拠を考えて見ると、次のようなことが浮かんでくるはずです。

  • パンフレットを長い時間見ていた

  • 話をうなづきながら聞いてくれた

  • パンフレットを見ながら「これ、うちで使えそうだな」と独り言を言っていた


こういったことを整理するのです。

ところで、この整理をしていると、悪い感触につながることも頭に浮かんできます。




  • 全然質問がなかった

  • 最後は「ありがとう」だけで検討するという言葉もなかった


では自分はどうして「感触はよかった」と判断したのか。

ここでもう一度考えます。

そうすると「部長は余計なことは言わないけど、必要なことは質問する人だから、今日質問がなかったのはパンフレットと説明で納得できたということだ」という考えが浮かびます。

実は、漠然と「感触はよかった」と判断したとしても、潜在意識の中ではこれらのことを考えているものです。

それを顕在化して言葉にすれば、上司にもわかりやすい説明ができるようになります。

 

以上の改善点を踏まえるとTさんの報告は次のようになります。

上司「今日のX社の部長へのプレゼン、どうだった?」

T「感触はよかったです。パンフレットをしっかりご覧になり私の説明にも笑顔でうなづいていました。最後は『ありがとう』ととしか仰いませんでしたが、課長は余計な話はされない方なので検討いただけると思っています」

これならわかりやすい報告と言えますね。


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